「子どもにも早いうちからNISAを始めさせたい」「ジュニアNISAが終わった今、教育費はどう準備すればいいのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
新NISAを利用できるのは、利用する年の1月1日時点で18歳以上の人です。18歳未満の子どもは利用できないため、教育費などを準備する場合は、預貯金や親名義のNISAなどを目的に応じて使い分ける必要があります。
ただし、教育費をすべて投資で準備すればよいわけではありません。お金を使う時期が近いほど、相場の下落によって必要額を確保できないリスクも考える必要があります。
この記事では、新NISAの年齢条件、18歳未満の子どものためにお金を準備する方法、30代・40代から積み立てる場合のシミュレーションを解説します。家庭によって収入や必要な教育費は異なるため、無理のない方法を考える参考にしてください。
新NISAは何歳から始められる?

新NISAには、口座を開設できる年齢の条件があります。誕生日を迎えた時点ではなく、その年の1月1日時点の年齢で判断される点に注意が必要です。
利用する年の1月1日時点で18歳以上が対象
新NISAの口座を開設できるのは、日本国内に住んでいて、利用する年の1月1日時点で18歳以上の人です。NISA口座は1人につき1口座で、銀行や証券会社などの金融機関を通して開設します。
NISAは、口座内で購入した商品の売却益や配当・分配金が非課税になる制度です。通常の課税口座では運用益に税金がかかりますが、NISAでは一定の範囲内で非課税になります。
一方で、NISAは投資による利益を保証する制度ではありません。購入した投資信託や株式の価格が下がれば、売却したときの金額が投資額を下回ることもあります。「非課税だから損をしない」という意味ではないことを理解しておきましょう。
18歳の誕生日を迎えてもすぐに利用できるとは限らない
注意したいのは、18歳の誕生日を迎えた日から、すぐに新NISAを利用できるわけではないことです。判断の基準になるのは、あくまで利用する年の1月1日時点の年齢です。
たとえば、年の途中で18歳になった場合、その年の1月1日時点では17歳のため、原則としてその年は新NISAを利用できません。翌年の1月1日時点では18歳以上になっているため、翌年から対象になります。
「18歳の誕生日を迎えたら口座を作れる」と覚えていると、希望する時期に手続きできない可能性があります。子どもの誕生日だけで判断せず、利用を希望する年の1月1日時点で何歳かを確認してください。
新NISAを始められる年齢に上限はない
新NISAには、利用を始める年齢の上限は設けられていません。40代や50代からでも口座を開設できます。
ただし、年齢に関係なく、投資に回せる期間と資金を使う時期を考える必要があります。老後資金として20年以上運用できる人と、数年後に使う予定がある人では、選ぶ商品や投資に回せる金額が異なるためです。
「何歳から始めるか」だけでなく、「何年後に使うお金なのか」「値下がりしたときに回復を待てるか」まで考えて判断しましょう。
18歳未満は新NISAを利用できない
以前は、未成年者向けの「ジュニアNISA」がありましたが、新規の買い付けは2023年で終了しています。現在のNISAには、18歳未満を対象とした口座はありません。
そのため、子どもの教育費や将来のためのお金を準備する場合は、新NISAだけにこだわらず、預貯金、親名義のNISA、金融機関によっては未成年口座なども含めて検討します。
どの方法が適しているかは、資金を使うまでの年数や、値下がりをどこまで受け入れられるかによって変わります。まずは「いつ、いくら必要になるか」を整理することが出発点です。
18歳未満の子どものためにお金を準備する4つの方法

18歳未満の子どもは新NISAを利用できませんが、お金を準備する方法はほかにもあります。それぞれの特徴を理解し、使う時期や目的に合わせて組み合わせましょう。
1.近いうちに使うお金は預貯金で準備する
入学金や授業料、制服代など、使う時期と必要額がある程度決まっているお金は、預貯金で準備する方法があります。預貯金は投資のように大きく増えることは期待しにくい一方、必要な時期に相場が下がって資金が不足するリスクを避けやすい点がメリットです。
教育費は、支払い時期をこちらの都合で延期できないことがあります。入学直前に株価が下がったとしても、入学金の支払いを数年先まで待つことはできません。使う時期が近づいたお金まで投資に回していると、値下がりした状態で売却しなければならない可能性があります。
特に数年以内に使う予定の教育費は、すべてを投資に回さず、現金で確保しておくと安心です。普通預金だけでなく、使う時期に合わせて定期預金などを検討してもよいでしょう。
預貯金でいくら確保するか迷う場合は、入学金や初年度の授業料など、必ず支払う予定の金額から優先して準備します。必要額が見えれば、長期間使わない分を投資に回せるか判断しやすくなります。
2.親名義のNISAで長期的に積み立てる
使うまでに十分な時間があるお金は、親名義のNISAで積み立てる方法も選択肢の一つです。NISA口座内の運用益は非課税になるため、長期的な資産形成に利用できます。
ただし、投資した商品が値下がりし、元本を下回ることもあります。積立期間が長くても、必ず利益が出るわけではありません。教育費の全額を投資で準備するのではなく、値下がりしてもすぐに売らずに済む余裕資金で行う必要があります。
また、親名義のNISAで運用している資産は、あくまで親の財産です。「子どものために積み立てている」と考えていても、口座の名義や資産の所有者が自動的に子どもへ変わるわけではありません。
将来、運用したお金を子どもへ渡す場合は、渡す金額や方法によって贈与税の対象になる可能性があります。教育費として直接支払うのか、まとまったお金を子どもの口座へ移すのかによって扱いが異なるため、渡す段階でも確認が必要です。
3.未成年口座(課税口座)を検討する
金融機関によっては、18歳未満でも未成年口座を開設できる場合があります。子ども名義で投資信託や株式を保有できますが、NISAではないため、運用益には原則として税金がかかります。
口座の開設条件、取扱商品、親権者の同意や必要書類は金融機関ごとに異なります。年齢によって取引できる商品や方法が制限される場合もあるため、開設前に公式サイトで確認してください。
未成年口座を使えば、自動的に金融教育になるわけではありません。子どもが理解できる年齢になったら、なぜその商品を選んだのか、価格が上がったり下がったりするのはなぜかを一緒に確認することが大切です。
投資を経験させたいという理由だけで、急いで口座を作る必要はありません。おこづかいの管理や買い物の予算を考えることも、身近なお金の教育になります。子どもの年齢や理解度に合わせて進めましょう。
4.預貯金と投資を組み合わせる
教育費の準備では、預貯金か投資のどちらか一つに決める必要はありません。近いうちに必要になるお金は預貯金、10年以上使わない予定のお金は投資を検討するなど、使う時期に応じて分ける方法があります。
たとえば、高校入学までに必要な資金は現金で確保し、その先の大学費用の一部を長期的に積み立てるといった考え方です。ただし、10年以上あれば必ず利益が出るという意味ではありません。投資部分には値下がりする可能性が残ります。
子どもの成長に合わせて、必要な教育費や家計の状況も変わります。一度割合を決めて終わりにせず、進学の希望や収入の変化に応じて、預貯金と投資の配分を見直してください。
教育費を親名義のNISAで準備するときの注意点

親名義のNISAを教育費に活用する場合は、非課税というメリットだけで判断しないことが大切です。資金を使う時期、家計の余裕、資産の名義を事前に確認しましょう。
教育費を使う時期から逆算する
教育費を投資で準備するなら、まず支払い時期から逆算します。大学進学費用として使う場合でも、受験料、入学金、前期授業料、引っ越し費用など、必要になる時期は同じではありません。
いつまでにいくら必要かを整理せずに積み立てると、運用額が増えていても、実際の支払いに間に合わない可能性があります。進学時期から逆算し、直近で必要になる金額は早めに現金へ移す方法も検討しましょう。
売却する時期を一日に決めてしまうと、その日に相場が下落している可能性があります。必要な時期が近づいたら、数回に分けて現金化するなど、値動きの影響を小さくする考え方もあります。
生活費の予備資金を先に確保する
教育費の積み立てを優先しすぎて、毎月の生活費や急な出費に対応できなくなっては続きません。家電の故障、病気、収入の減少などに備えるお金は、投資とは分けて預貯金で確保しておく必要があります。
生活費の予備資金がない状態で投資を始めると、急な出費のたびに商品を売却することになりかねません。相場が下がっているときに売る可能性もあるため、まずは当面の生活に必要なお金を確認しましょう。
確保すべき金額は、雇用形態、毎月の固定費、家族構成によって異なります。一般的な目安をそのまま当てはめるのではなく、自分の家庭で収入が止まった場合に、どのくらいの期間生活できるかを基準に考えます。
教育費と老後資金を分けて管理する
親名義のNISAで教育費と老後資金を同時に積み立てると、口座内の資産が何のためのお金か分かりにくくなることがあります。合計額だけを見て「十分に貯まった」と判断すると、教育費を支払ったあとに老後資金が不足する可能性があります。
口座を完全に分けられない場合でも、家計簿やスプレッドシートなどで目的別の目標額と積立額を記録しておくと管理しやすくなります。教育費、老後資金、生活費の予備資金を混同しないことが重要です。
積立額を増やす前に、現在の残高がどの目的にいくら充てられるのかを確認しましょう。目的別に整理できれば、教育費の支払い後も続けられる積立額を判断しやすくなります。
30代・40代から始める積立シミュレーション

30代・40代から積み立てを始める場合、期間と毎月の金額によって将来の金額は変わります。ここでは、毎月3万円または5万円を積み立てた場合の概算を確認します。
以下は、毎月末に一定額を積み立て、年4%で運用できたと仮定したシミュレーションです。月々の複利で計算し、手数料などは考慮していません。実際の運用成果を保証するものではありません。
毎月3万円を積み立てる場合
毎月3万円を積み立てると、元本は10年間で360万円、20年間で720万円です。年4%で運用できたと仮定すると、概算は次のようになります。
- 10年間:元本360万円 → 約442万円
- 20年間:元本720万円 → 約1,100万円
10年間では運用による増加分が約82万円、20年間では約380万円という試算です。積立期間が長くなると、元本を積み上げる期間が長くなるだけでなく、運用で増えた分にも運用効果が働く可能性があります。
ただし、年4%は毎年確実に増えるという意味ではありません。大きく上がる年もあれば下がる年もあり、積み立てた時期や売却する時期によって結果は変わります。
毎月5万円を積み立てる場合
毎月5万円を積み立てると、元本は10年間で600万円、20年間で1,200万円です。年4%で運用できたと仮定した場合の概算は次のとおりです。
- 10年間:元本600万円 → 約736万円
- 20年間:元本1,200万円 → 約1,833万円
毎月3万円の場合より将来の金額は大きくなりますが、家計から毎月出ていく金額も2万円増えます。年間では24万円の差になるため、教育費や住宅費など、ほかの支出への影響も確認しなければなりません。
将来の試算額だけを見て積立額を決めると、家計が苦しくなり、途中で取り崩す原因になります。月5万円を無理に続けるより、月3万円を安定して続けるほうが家庭に合っている場合もあります。
積立額は家計に無理のない範囲で決める
積立期間が長くなるほど資産が増える可能性はありますが、毎月の生活を圧迫してまで投資する必要はありません。積立額を決めるときは、現在の手取り収入だけでなく、今後増える可能性がある支出も確認します。
子どもの成長に伴い、学費、習い事、食費、部活動費などが増える家庭もあります。住宅ローンや車の買い替えなど、大きな支出が重なる時期もあるでしょう。
まずは生活費の予備資金を確保し、教育費や住宅費など今後の支出も確認したうえで、無理なく続けられる金額から始めてください。収入や支出が変わったときは、積立額を減らしたり、一時的に止めたりしても問題ありません。
シミュレーションは計画を立てるための目安です。表示された金額を将来受け取れる金額として扱わず、運用結果が想定を下回る場合も含めて準備しましょう。
子どもが18歳になったら確認したいこと

子どもが18歳になったら、新NISAを始められる年を確認するとともに、本人がお金や投資について考える機会を作りましょう。親が準備した資金を渡す場合は、贈与税にも注意が必要です。
新NISAを始められる年を確認する
子どもが18歳になったら、まずは新NISAを利用できる年を確認します。判断基準は誕生日ではなく、利用する年の1月1日時点の年齢です。年の途中で18歳になった場合は、原則として翌年から対象になります。
口座開設には、マイナンバーを確認できる書類や本人確認書類などが必要です。必要書類や手続き方法は金融機関によって異なるため、利用する金融機関の公式サイトで確認してください。
親が利用している金融機関と同じところを選ぶ必要はありません。取扱商品、手数料、画面の使いやすさ、問い合わせ方法などを比較し、本人が管理しやすい金融機関を選びます。
本人が理解したうえで商品を選ぶ
子どもが新NISAを始める場合も、親が一方的に商品を決めるのではなく、本人が仕組みを理解できるように説明することが大切です。利益が非課税になることだけでなく、価格が下がって損失が出る可能性も伝えましょう。
投資する目的が決まっていなければ、相場が下がったときに不安になり、短期間で売却してしまうことがあります。「何のために積み立てるのか」「いつごろ使う予定なのか」を本人と一緒に考えます。
最初から大きな金額を投資する必要はありません。値動きを確認しながら、生活に影響しない金額で経験する方法もあります。分からない商品や、仕組みを説明できない商品を無理に選ばないことも重要です。
定期的に残高を見るときは、増えたか減ったかだけでなく、その理由や目的に合った運用ができているかを話すと、金融教育の機会になります。
親から子どもへお金を渡す場合は贈与税に注意する
親名義のNISAで運用していた資金を子どもへ渡す場合は、贈与税の確認が必要です。親子間のお金の移動であっても、すべてが自動的に非課税になるわけではありません。
暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額から、基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。110万円は贈与する人ごとではなく、受け取る人がその年に受けた贈与の合計に対する控除です。
たとえば、同じ年に父母や祖父母など複数の人から贈与を受けた場合は、それぞれから受け取った金額を合計して考えます。「父から110万円、母から110万円ならどちらも基礎控除内」とは限りません。
一方、扶養義務者から教育費や生活費として、その都度通常必要と認められる範囲で受け取る財産は、贈与税がかからない場合があります。ただし、教育費という名目で受け取ったお金を預金したり、投資に回したりした場合は同じ扱いにならないことがあります。
贈与税は、資金の渡し方や家庭の状況によって判断が変わります。まとまった資金を移す場合や判断に迷う場合は、自己判断せず、税務署や税理士などの専門家へ確認してください。
新NISAを始める前の確認ポイント

新NISAを始める前に、目的、利用する金融機関、積立額、商品を順番に整理します。最初から完璧な計画を作るのではなく、家計の変化に合わせて見直せる内容にしておきましょう。
何のために、いつ使うお金かを決める
最初に決めたいのは、投資の目的とお金を使う時期です。教育費、老後資金、住宅購入など、目的によって運用できる期間と受け入れられる値動きが変わります。
数年以内に使う予定のお金は、値下がりから回復するまで待てない可能性があります。反対に、長期間使う予定がないお金であれば、短期的な値動きを見ながら慌てて売却せずに済むことがあります。
NISAを使うこと自体を目的にせず、「いつ、何のために使うお金か」を先に決めることが大切です。目的が決まれば、預貯金で持つ金額と投資に回せる金額を分けやすくなります。
金融機関は数字だけで決めない
金融機関を選ぶときは、取扱商品、手数料、積立方法、入金方法、画面の使いやすさ、サポートなどを比較します。知名度やポイント還元率だけで決めると、希望する商品を扱っていなかったり、操作が分かりにくかったりする可能性があります。
ポイント還元率やキャンペーン、サービス内容は変更されることがあります。比較記事に掲載されている数字だけを信用せず、申込前に金融機関の公式サイトで最新情報を確認してください。
頻繁に使う画面が分かりにくいと、積立状況や保有商品を確認しなくなることもあります。可能であれば、アプリやWeb画面の操作方法、問い合わせ窓口も確認しておきましょう。
無理なく続けられる積立額を決める
積立額は、シミュレーションで大きな金額になるかではなく、毎月無理なく出せるかを基準に決めます。収入が同じでも、家族構成や住宅費、教育費によって投資に回せる金額は異なります。
まず毎月の収入と固定費、年間で発生する大きな支出を確認し、生活費の予備資金を差し引いたうえで積立額を考えます。ボーナスを前提にしすぎると、支給額が減ったときに続けられなくなる可能性があります。
積立額はあとから変更できます。最初から上限まで使おうとせず、少額で始めて家計への影響を確認し、余裕があれば増やす方法でも構いません。
商品の特徴とリスクを確認する
投資信託や株式は、商品によって投資先、値動き、手数料が異なります。人気ランキングの上位にあるという理由だけで選ばず、何に投資する商品なのか、どのようなときに価格が下がるのかを確認してください。
分散投資は値動きの影響を抑える方法の一つですが、損失を完全になくすものではありません。複数の国や資産へ投資する商品でも、相場全体が下がれば元本を下回る可能性があります。
内容を理解できない商品を無理に購入する必要はありません。説明を読んでも分からない場合は、金融庁や金融機関の資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
積立開始後も定期的に見直す
積み立てを始めたあとも、家計や目的が変われば見直しが必要です。毎日の値動きを確認する必要はありませんが、半年や1年など自分で時期を決めて、積立額と目的が合っているかを確認しましょう。
子どもの進路、収入、住宅費などが変われば、投資に回せる金額も変わります。積立額を減らすことは失敗ではありません。生活に必要なお金を優先し、無理なく続けられる状態を保つことが大切です。
まとめ
新NISAを利用できるのは、利用する年の1月1日時点で18歳以上の人です。年の途中で18歳の誕生日を迎えても、原則としてその年は対象にならないため、利用できる年を確認しましょう。
18歳未満の子どものためにお金を準備する場合は、預貯金、親名義のNISA、未成年口座などを目的に応じて検討します。近いうちに使う教育費は預貯金で確保し、長期間使わない余裕資金で投資を検討するなど、使う時期に合わせて分けることが大切です。
投資には、資産が増える可能性がある一方で、元本割れのリスクもあります。シミュレーションの金額を将来受け取れる金額として考えず、家計に無理のない積立額を決めてください。
親名義の資産を子どもへ渡す場合は、贈与税の確認も必要です。NISAを始めること自体を目的にせず、「いつ、何のために使うお金か」を整理したうえで、家庭に合った方法を選びましょう。

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